同じ質問を候補すべてに投げると、答え方の違いから、自社に合う相手が見えてきます。
使い方
候補となる会社やチームに、同じ資料と同じ質問を渡してください。答えの内容だけでなく、「答えられない質問にどう対応するか」「質問の意図を汲んで補足してくれるか」も判断材料になります。すべてに完璧な答えがある必要はありません。自社にとって重要な質問がどれかを先に決めておくと、比較がしやすくなります。
A. 事業フェーズとの相性(質問1〜3)
スタートアップは、事業の段階によって必要な開発の性質が変わります。仮説検証の段階では速さと柔軟さ、資金調達後は拡張性と安定性が重視されます。相手がどの段階を得意とするかを確かめます。
B. 契約と費用の考え方(質問4〜6)
仕様が固まっていないスタートアップの開発では、請負契約よりも準委任契約が向くことが一般にあります。契約の形と、仕様変更や中断が起きたときの扱いを確認します。金額そのものより、その決まり方を聞くのが目的です。
C. 体制と進め方(質問7〜9)
誰が窓口で、誰が実際に作るのかは、意思疎通の速さと品質に直結します。小さなチームでは、担当者が一人に偏ることもあるため、その備えも聞いておきます。
D. CTOや技術責任者が不在の場合の支援(質問10〜11)
創業期には、技術の判断を任せられる人が社内にいないことが珍しくありません。その状態で開発を依頼する場合、技術選定や採用の判断を相談できる相手かどうかが重要になります。
E. 成果物の帰属と技術の透明性(質問12〜13)
ソースコードや設計資料の権利が誰にあるかは、将来の資金調達や事業売却、他社への移行のときに問題になります。契約前に必ず書面で確認します。また、使う技術が一般的なものかどうかは、後から人を採用できるかに関わります。
F. 保守と引き継ぎ(質問14〜15)
リリース後の保守と、将来の内製化や他社への移行がスムーズにできるかを確認します。「離れにくい」仕組みになっていないかを見る質問です。
答えを比較するときの見方
すべての質問に「できます」と答える相手より、「これはできる、これは条件付き、これは他社のほうがよい」と分けて答える相手のほうが、実際の仕事でも境界を明確にしてくれる傾向が一般にあります。また、質問に対して逆に質問が返ってくる(「なぜそれが必要ですか」「事業の段階はどこですか」)ことは、相手が状況を理解しようとしている表れです。最後に、契約前に小さな範囲の作業を先に依頼して、やり取りの質を確かめる方法もあります。
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監修: フィリット・コンサルティング株式会社公開