MVPの範囲は「何を作るか」ではなく「何を確かめたいか」から決まります。この12項目を順に埋めると、削るべき機能が自然に見えてきます。
1. 検証したい仮説を一文で書く
MVPの目的は機能を揃えることではなく、事業の前提となる仮説を確かめることです。仮説が一文で書けないうちは、機能の取捨選択もできません。「誰が」「どんな課題に対して」「何を使って」「どう変わる」の4つが入っているかを確認します。
2. 仮説が外れたときの判断を先に決める
検証は、結果を見てから判断基準を決めると、都合のよい解釈に流れます。作る前に「どうなったら仮説は外れたと言えるか」と「そのときに何をやめるか」を決めておきます。
3. 検証に必要な「体験の中核」を特定する
顧客が価値を感じる瞬間はどこか、その瞬間に至るまでに最低限必要な操作は何かを書き出します。ここに含まれない機能は、原則としてMVPには入れません。
4. 機能候補をすべて書き出す
削る前に、まず思いついた機能をすべて並べます。この段階では良し悪しを判断せず、チームの頭の中にあるものを出し切ることが目的です。後の項目で優先順位をつけます。
5. 「無いと検証できない」機能だけを残す
書き出した機能を3つに分けます。基準は「便利かどうか」ではなく「これが無いと仮説を検証できないかどうか」です。迷ったものは、いったん後回しに分類します。
6. 作らずに済ませられる部分を探す
「必須」に分類した機能でも、システムとして作らずに代替できることがあります。最初は人の手やスプレッドシート、既存のサービスで代替し、検証結果が出てから作り込むほうが、資金と時間を節約できます。
7. 管理画面の範囲を決める
顧客向けの画面に比べて、管理画面は後回しにされがちですが、無いと運営が回らないことがあります。一方で、最初から作り込むと工数が大きく膨らみます。検証期間中に運営が最低限必要とする操作だけを洗い出します。
8. 対象の端末と利用環境を絞る
PC・スマートフォン・タブレットのすべてに対応すると、画面の設計とテストの工数が増えます。想定顧客が主に使う環境をひとつ決め、検証期間はそこに集中します。
9. 会員登録・決済・通知の扱いを決める
多くのプロダクトに共通して登場するこの3つは、実装の手間が大きく、しかも検証に必ずしも必要とは限りません。それぞれ、検証に必要かどうかを個別に判断します。
10. 検証のために計測する項目を決める
作ってから「何を見ればいいのか」を考えると、必要なデータが記録されていないことが起こります。仮説に対応する観察項目を、実装前に決めます。
11. 作り直す前提の部分と残す部分を分ける
MVPは検証の結果によって大きく変わる可能性があります。すべてを丁寧に作ると時間がかかり、すべてを雑に作ると当たったときに土台になりません。どこを暫定にして、どこを残す前提で作るかを開発パートナーと合意します。
12. 開発パートナーと共有する
ここまでの11項目が埋まっていれば、開発パートナーへの依頼内容はほぼ固まっています。最後に、範囲の外側も含めて共有し、認識のずれを防ぎます。
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監修: フィリット・コンサルティング株式会社公開