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    KPI設計のはじめの一歩

    北極星指標を1つ決め、見る指標を絞るための6ステップ

    指標は増やすほど、意思決定から遠ざかります。まず1つ決め、それを動かす指標だけを残すところから始めます。

    使い方

    この資料は、チームで1時間ほど時間を取り、ステップ1から順に埋めていくことを想定しています。一人で決めてから共有するよりも、その場で議論して決めたほうが、後から指標が守られます。既にダッシュボードがある場合は、ステップ5で今の画面と照らし合わせ、外す指標を決めてください。指標を新しく足すより、外すほうが難しく、そして効果があります。埋めた内容は、日付とともに残しておいてください。

    ステップ1. 北極星指標を1つ書く

    北極星指標は、自社のプロダクトが顧客に価値を届けられているかを、1つの数値で表したものです。売上そのものではなく、売上の手前にある「顧客が価値を受け取った量」を表すものを選びます。複数あると、優先順位を決めきれないときの拠りどころになりませんので、必ず1つに絞ってください。迷う場合は、候補を2つ書いたうえで、どちらが伸びたときに事業としてより望ましいかを議論します。

    • 顧客が価値を感じる行動は何か(例: 探していたものが見つかる、作業が完了する)
    • その行動の量を、1つの数値で表すとどうなるか
    • その数値が伸びれば、事業として望ましい状態に近づくと言えるか
    • その数値は、チーム全員が同じ意味で説明できるか

    ステップ2. 北極星指標を分解する

    1つの数値だけでは、何をすればよいかが分かりません。北極星指標を、掛け算や足し算で分解してください。分解した要素のうち、自分たちの打ち手で動かせるものが、次のステップで選ぶ先行指標の候補になります。分解の形は1通りではありませんので、チームで納得できる形を選べば十分です。分解してみると、どの要素が一番弱いかが見え、次に手を付ける場所の議論がしやすくなります。

    • 「訪問数 × 登録率 × 利用率」のように、掛け算で分解できないか
    • 「新規 + 既存の継続」のように、足し算で分解できないか
    • 分解した要素のうち、自分たちの打ち手で動かせるのはどれか
    • 動かせない要素(季節、市場規模など)は、前提として脇に置けるか

    ステップ3. 先行指標と遅行指標を分ける

    遅行指標は結果を表し、先行指標はその結果の前触れを表します。月次の売上は遅行指標で、今日打った手の効果はまだ表れません。日々見るのは先行指標、節目で振り返るのは遅行指標、と役割を分けると、どの画面をいつ見るかがはっきりします。先行指標だけを見ていると方針のずれに気づけず、遅行指標だけを見ていると気づくのが遅れますので、両方を役割ごとに持っておきます。

    ステップ4. 指標の定義書を書く

    同じ「利用者数」でも、誰を数えるか、いつの時点で数えるかで数値は変わります。定義を文書にしていないと、後で数値が合わないときに原因を追えず、数字そのものが信用されなくなります。指標ごとに次の項目を書き、変更したら履歴を残してください。1指標あたり数行で十分です。凝った文書を作るより、全指標について短く書かれている状態のほうが役に立ちます。

    • 名前と、一文での説明
    • 分子と分母(率の場合)、および数える対象の条件
    • 集計の期間の区切り(日次か、週次か。週の始まりは何曜日か)
    • 除外する対象(社内の利用、テストデータ、重複など)
    • データの取得元と、誰が集計しているか
    • 最終更新日と、変更した理由

    ステップ5. 虚栄の指標を画面から外す

    累計の登録者数のように、必ず増えていく数値は、見ていて気持ちがよい一方で、意思決定には使えません。判断に使わない指標は、意思決定のための画面から外し、別の場所に置いてください。画面に並ぶ指標が多いほど、結局どれも見られなくなります。外すかどうかを決めるときは、次の問いに答えてみてください。答えられない指標は、今のところ画面に置く理由がありません。

    • その指標が下がったとき、何をやめる・変えると決められるか
    • その指標を見て、直近3か月で何かを決めたことがあるか
    • 累計値ではなく、期間あたりの数値で見るべきではないか
    • 画面に載せる指標を5つ以内に絞れるか

    ステップ6. 見る場と、入れ替えの節目を決める

    指標は、誰がいつ見て、何を決めるかまで決めて初めて機能します。また、事業の段階が進むと、見るべき指標は変わります。PMFを探している段階では継続や利用の深さを、その後は獲得効率や収益性を見る比重が増えていきます。入れ替える節目をあらかじめ決めておくと、惰性で古い指標を見続けることを防げます。節目が来たら、このシートをもう一度ステップ1から埋め直してください。

    • 日次で見る人は誰か。週次の振り返りには誰が出るか
    • その場で決めることは何か(打ち手の継続、中止、優先順位の変更)
    • 指標が目標から外れたとき、誰がいつ判断するか
    • 指標を見直す節目はいつか(資金調達、事業段階の変化、四半期など)
    • 見直しのときに、外した指標をどこに記録しておくか

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