止まっている判断の多くは、難しいから止まっているのではなく、誰が決めるかが決まっていないから止まっています。
使い方
各フェーズの表を見て、自社に当てはまる行の「決める人」に実名を入れてください。空欄が残った行が、今後止まる可能性の高い判断です。技術責任者がいない場合、決める人には社内の人を置き、外部の開発パートナーは「助言する人」として別に書きます。決定を外部に委ねると、後から根拠を確認できなくなります。
- 決める人: 最終的に責任を持つ社内の一人(合議にしない)
- 助言する人: 判断材料を提供する人(社内・社外を問わない)
- 決める時期: いつまでに決めるか、または何が起きたら決めるか
- 記録する場所: 決めた内容と理由をどこに残すか
決定を記録する形
判断は、内容だけでなく理由を残すことが重要です。半年後に「なぜこうしたのか」が分からないと、同じ議論を繰り返すことになります。一件あたり数行で構いません。日付、決めたこと、理由、検討した他の選択肢、見直す条件の5つを残します。
創業期・調達前の判断
この時期の判断は、後から変えにくいものと、変えやすいものが混在しています。変えにくいものほど、時間をかけて決める価値があります。逆に変えやすいものに時間をかけると、検証の開始が遅れます。
シード期の判断
顧客が使い始めると、日々の判断が増えます。すべてを経営者が判断すると事業が止まるため、範囲を決めて事業責任者や開発側に委ねます。委ねる範囲は金額と影響の大きさで線を引くと、運用しやすくなります。
調達準備期の判断
調達の準備が始まると、日常の開発と並行して資料作成や質疑対応が発生します。どちらを優先するかを先に決めておかないと、両方が遅れます。また、この時期に発覚した権利や契約の問題は、対応の優先度が高くなります。
成長期の判断
人が増えると、判断の数だけでなく、判断を待つ人の数も増えます。この段階では、個別の判断を移譲するだけでなく、判断の基準そのものを文書にして共有する必要があります。基準があれば、同種の判断は現場で進みます。
決める人が社内にいない場合
技術責任者が不在の状態で技術の判断を求められたとき、内容を理解しないまま承認することは避けてください。理解できる言葉で説明を受け、比較できる選択肢を出してもらうことが、決めるための前提です。説明を求めること自体が、判断の一部です。
- 選択肢を2つ以上出してもらい、それぞれの利点と欠点を聞く
- その判断を後から変える場合、どれくらいの手間がかかるかを聞く
- 5年後も扱える人がいそうな技術かを聞く
- 専門用語が出たら、その場で意味を確認する
- 説明を受けた内容を自分の言葉で書き、認識が合っているか確認してもらう
- 外部の助言者が複数いる場合、同じ質問を両方に投げて答えを比べる
止まっている判断を洗い出す
最後に、今まさに止まっている判断を書き出します。止まっている理由を「決める人が不明」「材料が足りない」「決めたくない」の3つに分類すると、次の一手が変わります。材料が足りないだけなら、いつまでに誰が集めるかを決めれば進みます。
- 止まっている判断を、思いつく限り書き出す
- それぞれの止まっている理由を3分類のどれかに当てはめる
- 決める人が不明なものは、この場で割り当てる
- 材料が足りないものは、集める人と期限を決める
- 決めたくないものは、決めないことによる影響を書き出してから判断する
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