シード期の開発で失敗しやすいのは、作る量が多すぎることです。「作らない」判断を先に言葉にしておくと、資金の減り方が読めるようになります。
1. このシートの使い方
上から順に埋めてください。空欄のまま進めても構いませんが、空欄が多い項目ほど、後から見積りや期間がぶれる場所になります。開発パートナーに相談する前に一度埋め、相談したあとにもう一度見直すと、認識のずれが見つかります。一人で埋めるより、経営者と事業責任者の二人以上で別々に書き、突き合わせるほうが効果があります。
2. 今のフェーズを言葉にする
「シード期」という言葉は、会社によって指す状態が違います。資金の状況と顧客の状況を数字と事実で書き出すと、今やるべきことの範囲が絞れます。ここが曖昧なまま機能の議論を始めると、話が噛み合いません。
3. 今のフェーズで確かめたいことを一つに絞る
シード期のプロダクトは、事業のすべてを表現するものではありません。次の資金調達やチーム拡大の判断材料になる問いを一つだけ選び、それ以外を今回の対象から外します。問いが複数ある場合は、外れたときに事業が止まるほうを選びます。
4. 作らないものを先に決める
シード期に着手を見送ることが多い領域を挙げます。必要かどうかではなく「今の問いを確かめるのに要るか」で判断してください。見送ったものは消さずにリストに残し、どうなったら着手するかの条件を書き添えます。
5. 投資家に見せる材料を分けて考える
投資家との対話で必要になるのは、完成したプロダクトそのものではなく、顧客が使っている事実と、そこから読み取れる兆しです。プロダクトの見栄えを整える作業と、事実を積む作業は別物として扱い、資金と時間の配分を決めます。
6. あとで作り直す前提の部分を明示する
シード期のコードは、検証結果によって捨てる可能性があります。すべてを丁寧に作ると資金が足りず、すべてを雑に作ると当たったときに土台が残りません。作り直す前提の部分と、残す前提の部分を分け、開発パートナーと文書で合意します。
7. 最低限の守りを確認する
フェーズにかかわらず、事故が起きると事業そのものが止まる領域があります。シード期でも手を抜きにくい範囲を挙げます。過剰な作り込みは要りませんが、抜けていないかの確認は必要です。
8. 名義と権利を自社に寄せる
シード期のうちに整えておくと、その後の調達やチーム拡大で手戻りが減る事務的な項目です。作業そのものは短時間で済みますが、後回しにすると関係者が増えてから直すことになります。
9. 次の見直し日を決める
このシートは一度埋めて終わりにせず、検証期間の区切りごとに見直します。日付を決めずに置くと、状況が変わっても最初の判断のまま走り続けることになります。見直しの場では、作らないと決めたものの条件が満たされたかどうかも確認します。
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監修: フィリット・コンサルティング株式会社公開