宿泊施設の客室に置くタブレット端末向けのアプリを開発しました。滞在中のゲストは、館内の案内を端末で確認し、必要な依頼をその場から送ることができます。スタッフ側にはゲストからの依頼が即座に届き、対応状況をチームで共有できるため、フロントへの電話に頼っていたやり取りが減ります。ゲスト体験の向上とスタッフの負担軽減を同時に狙った設計で、施設運営のデジタル化に貢献しています。
- ゲストが迷わない画面構成
- 滞在中に発生する用件を端末のトップから数回の操作で届けられるよう、案内と依頼の導線を一つの画面体系にまとめました。
- スタッフ側の見落とし防止
- 依頼はスタッフへ即時に通知され、誰が対応中かが共有されるため、聞き漏らしや同じ依頼への重複対応が起きにくくなります。
- 接客品質とコストの両立
- 電話対応に割いていた時間をデジタルの依頼処理に置き換えることで、少人数の体制でもゲストへの応答品質を保ちやすくしています。
- 依頼の状態をチームで共有
- ゲストからの依頼を個別の通知で終わらせず、誰が対応中かという状態としてスタッフ間で共有できるようにしました。フロントの口頭伝達に頼らない引き継ぎの形です。
- 客室設置を前提とした端末の扱い
- 不特定のゲストが触れる客室常設の端末であることを前提に、アプリから抜け出しにくい画面構成にしました。個人の端末向けアプリとは別の設計判断が要る領域です。
この種のシステムで検討する論点(想定例)
以下は同種の案件で一般的に検討する内容の整理であり、上記事例の詳細を示すものではありません。
客室端末を「滞在中の接点」として捉える
客室のタブレットは業務効率化の道具として語られがちですが、プロダクトの視点で見ると、ゲストが滞在中に施設と接触する数少ない接点でもあります。館内案内や依頼の受付に加え、周辺の案内や追加サービスの提案を同じ画面に載せれば、体験の向上と収益機会の両方につながります。ただし最初から盛り込みすぎると使いにくくなるため、まずは電話で頻繁に寄せられる用件をデジタル化し、利用状況を見ながら提案要素を増やしていく順序が現実的です。
二種類の利用者を同時に設計する
客室端末のようなプロダクトには、ゲストとスタッフという立場も利用頻度も異なる二種類の利用者がいます。ゲストは初めて触れる端末で迷わず目的を達成できることが重要で、スタッフは日々繰り返す操作を素早く処理できることが重要です。両者の画面を別々に設計し、それぞれの利用シーンを実際の現場で観察してから細部を決めると、片方に偏った作りを避けられます。どちらかが使わなくなればプロダクト全体が機能しなくなるため、両側の体験を対等に扱う姿勢が欠かせません。
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監修: フィリット・コンサルティング株式会社公開